Southernpacificocean Medical Team 南太平洋医療隊
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2014年度の活動報告
【2014年2月、3月の活動報告】
実地期間: 2014年2月4日〜3月6日
対象地域: TONGA王国 Tongatapu本島、Ha’apai諸島
参加者: 河村サユリ(歯科医師)、竹内麗理(歯科医師)、鈴木千鶴(歯科衛生士)、
尾花三千代(歯科衛生士)、内野和顕(医師)、辻林玲実(看護師)
活動内容: JICA(国際協力機構)と共同で草の根技術協力事業パートーナー型「トンガ王国における口腔保健のアプローチから生活習慣を改善するプロジェクト」(The project for improving adult's lifestyle approach from oral health in the Kingdom of Tonga)を開始し、第2回目の訪問です。辻林玲美が5月まで活動に従事する予定でトンガに滞在しています。VAIOLA病院では、歯科室と医科と連携し歯周疾患の改善及び生活習慣の向上から生活習慣病へのアプローチをめざした活動を更に推進し、ワークショップの開催、歯科室での歯周病等予防業務の質の向上と妊産婦教室を実施しました。町や村では、ヘルスフェスティバルの開催、政府職員・TONGA TV職員の成人検診と健康教室の開催、中高生に対し検診とワークショップを開催しました。また今回のプロジェクトを離島へ広めるため、サイクロンで被災したHa’apai諸島での活動を行いました。

<ヘルスフェスティバル>

2月7日Mua(村)42名、8日Fish Market(街)112名
生活習慣病予防の講義、身長、体重、腹囲、血圧、血糖値測定、健康相談、歯科検診、歯磨き指導、フッ化物歯面塗布(小児)を実施。歯科スタッフは、それぞれに仕事が分担されよく動いてくれていた。病気で病院に行くことがないかぎりは、自分の健康状態を知る機会がない人達にとっては、病気の一歩手前や重症になる手前で気づく良い機会となり、とても好評で昼を過ぎても列が途切れることがなかった。

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<成人健診>2月10日TONGA TVラジオ職員34名、2月12日財務省職員51名

職場に出向き実施。質問調査、講義、身長、体重、腹囲、血圧、血糖値測定、健康相談、歯科検診、歯磨き指導を実施。必要に応じて歯科受診の予約をした。

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<妊産婦教室>2月11日35名、2月18日34名

VAIOLA病院にて妊娠後、初回の妊婦を対象に各科を回る健診を週に1回行っている。その中で歯科は妊娠出産期の口腔ケアの重要性について講義をし、歯科検診、う蝕活動性検査、唾液潜血検査、歯磨き指導、歯科受診の予約をした。ほとんどの妊婦が歯肉に炎症があり歯石も多く付着していた。

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<中高校にてワークショップ、検診および保健指導>

2月14日QUEEN SALOTE 学校(女子校)142名、2月21日TONGA COLLEGE 学校(男子校)331名 中学一年生、三年生、高校二年生を対象に、質問調査、口腔保健や生活習慣病に関する講義、身長、体重、腹囲測定、歯科検診、必要に応じて歯磨き指導を実施。身長計、体重計、全身鏡を各学校に寄贈した。

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<VAIOLA病院にてワークショップ>2月10日VAIOLA病院20名

質問調査を行った後、内野先生による生活習慣病の講義を行った。肥満体質が分かる肥満因子検査を実施。

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<歯科外来>

VAIOLA病院にて歯科臨床
歯科スタッフは熱心に歯周予防処置を継続して行っている。歯科スタッフに対し口腔清掃方法の指導や口腔清掃の説明をした。レントゲン撮影を活用し、歯を抜かずに固定する技術を移転した。

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<医科との連携>

フェスティバルや成人健診の際、リプロダクティブナースの方1名ヘルスプロモーションの方2名が見学と同時に身体測定の手伝ってくれた。その後も学校健診でも手伝ってくれるようになった。歯科から発進されたこの集団健診のシステムは生活習慣病に罹患している人やしていない人、生活習慣病予備軍の人達へ、指導や啓発が出来る重要な手段だということを医科スタッフも理解し共に働く現場を設けることが出来た。


<Ha’apai諸島での活動>2月22日〜26日

1月のハリケーン被害により屋根が飛ばされたり多くの建物は壊れたままで、家に住めない人達はユニセフなどによって配給されたテントで過ごしていた。また多くの学校も壊れたままで、建物が丈夫な高校の校舎に避難している小学校もあった。学校の教師によると、歯ブラシはハリケーンによって無くなってしまったとのことで、全学校を訪問し歯ブラシセットを配布した。
Niuui病院では予防の大切さを歯科セラピストに説明し、歯ブラシの動かし方や歯間ブラシの使い方など歯磨き指導の方法について技術移転を行った。
今回多大なる被害を受けたHa’apai諸島が一刻も早く復旧することを願い、南太平洋医療隊の河村先生(隊長:河村康二、プロジェクトマネージャー:河村サユリ)よりトンガ財務省に寄付金を贈呈した。

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【2014年8月、9月の活動報告】
実地期間: 2014年8月4日〜9月12日
対象地域: トンガ王国 Tongatapu本島、Vava’u諸島
参加者: 河村サユリ(歯科医師)、遠藤眞美(歯科医師)、横山恭子(歯科衛生士)、菊池裕子(歯科衛生士)、
鈴木千鶴(歯科衛生士)
活動内容: JICA(国際協力機構)との共同事業、草の根技術協力事業パートーナー型「トンガ王国における口腔保健のアプローチから生活習慣を改善するプロジェクト」(The project for improving adult's lifestyle approach from oral health in the Kingdom of Tonga)を開始し、今回は3回目の訪トンガです。

<Vava’u諸島での活動>8月7日〜8月13日

アグリカルチャーショーに歯科として参加。生活習慣病・歯周病に関するポスター掲示、歯磨剤、 歯ブラシ、歯間ブラシの販売を実施した(マリマリプログラムの運用資金に使用)。
中高生を対象に健診、保健指導を実施した。(内容は身長・体重・腹囲測定、歯科検診)MS COLLEGE (共学)136名、VAVA’U HIGH SCHOOL (共学)230名、 歯科外来では今回のプロジェクトを説明し、VAIOLA病院の歯科スタッフがVava’uのGu病院歯科スタッフに対し歯周病予防処置の技術移転を行った。

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<障害者施設>

8月14日 OTA(通所施設)11名、ALONGA(入所施設)14名
健診、保健指導、質問調査、唾液アミラーゼテスト、口腔水分測定、フッ化物歯面塗布を実施。
VAIOLA病院歯科室において治療が必要な方が受診できる体制づくりを推進している。

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<成人健診>

8月20日 首相府33名、8月21日 WESTPAC銀行48名
職場へ出向き、医科スタッフも参加し、齲蝕活動性検査、唾液潜血検査、歯科検診、血圧、血糖値測定、身長、体重、腹囲測定、保健指導を実施。必要に応じ歯科受診の予約をとった。

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<妊産婦健診>

8月19日 22名、26日 21名、9月9日32名
本島の妊婦は毎週火曜日、バイオラ病院での初回検診を受けている。歯科では口腔ケアの必要性を講義し、成人健診同様に健診を実施した。

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<オーラルヘルスウィーク>8月31日〜9月6日

今年からトンガ歯科スタッフの提案で始まった保健省主催のこの企画は、一週間様々な場所で口腔衛生を周知させる活動である。口腔領域だけでなく生活習慣の改善を考慮し軽い運動も取り入れ行った。8月31日国王の御臨席の下、セントラルチャーチにおける開催宣言から幕開けとなった。教会では歯科スタッフは入り口で式次第と手作りステッカーを配り多くの人を迎え入れた。最終日のウォークラリーで締めくくられたが、連日テレビ・ラジオクルーが同行し、毎日の活動をラジオ・テレビで放送した。

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<学校健診>

9月1日 TUPOU COLLEGE (男子校)216名 9月3日 TONGA HIGH SCHOOL (共学)450名(先生12名)
健診、質問調査、保健指導を実施。TUPOU COLLEGEとTONGA HIGH SCHOOLにはSPMTから身長計、体重計、全身鏡を寄贈。歯科スタッフからは歯ブラシを寄贈。歯肉炎に罹患している生徒が多く、歯磨き指導も行った。健診には先生も数名参加し、血圧、血糖値測定も実施した。学生の中には体重が100kg近い子や腹囲が100cm超えている子もいたので、同行したNCDナースが指導をした。

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<ヘルスフェスティバル>

8月16日 Fish Market(街)115名
9月2日 Hihifo村(Kolovai holl) 62名(乳幼児、成人)
9月5日 Hahake村(Vakaloa holl) 90名(乳幼児、学生、成人)
成人健診と同様に、健診、血圧、血糖値測定、保健指導を実施、乳幼児では健診、フッ化物歯面塗布を実施した。Fish Marketでは歯周病についてのポスター掲示し、歯ブラシと歯磨剤を販売。老若男女問わず、歯磨剤と歯間ブラシに興味が集まっていた。Hihifo村ではプリンスご臨席の下、Kolovaiの小学生や幼稚園生がポエムを披露してくれた。Hahake村では住民だけでなく、近くの学校(Tapuni Siliva College)の生徒も受診をした。

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<ポエム大会・ぬりえ大会>

ポエム大会は口腔衛生や生活習慣のテーマで9月1日~3日実施した。12校の小学校が参加し、替え歌や詩を披露し、寸劇でアピール。甘いジュースやスナックはやめて野菜やフルーツを食べよう、歯磨きをしてから寝ようなど正しい生活習慣を身につける為の内容でした。マリマリプログラムの歯磨き指導のまねや歯医者のまねをする寸劇に、歯科スタッフは自分たちの仕事を子供達がよく見ている事に大変喜んでいた。ぬりえ大会は23園の幼稚園が参加し、思い思いの色を塗ってくれた。
参加校・園には歯ブラシや文具、時計などを寄贈した。

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<ワークショップ>

9月4日 VAIOLA病院にて「Oral Health Awareness」を開催。
教育省大臣や保健省大臣補佐、学校長らも出席し、前保健省大臣、Tangi先生による基調講演がなされた。講演でマリマリプログラムはトンガ王国の数ある保健プログラムのうち、唯一のサクセスストーリーであり、事業の継続によりもたらせる成果の詳細を語られた。
優勝校、ATELE小学校によるポエムも披露された。

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<ウォーキングラリー>

9月6日 参加者37名
AM7:00〜7:45にパトカーが先導しヌクアロファホテル前からフィッシュマーケットまで歩いた。主に歯科スタッフとその家族の参加であった。歯科スタッフの中には軽々歩く人もいれば、汗だくになって歩いている人もいた。激しい運動ではないので全員完歩でき、トンガヘルススタッフによるクールダウンストレッチ体操後、笑顔で解散した。

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<歯科外来>

VAIOLA病院では患者さんを診療内容別にユニットを振り分け、歯科スタッフは何週間のローテーションでどの内容でも対応出来るようにしている。虫歯治療などの歯科治療の際、歯周病予防処置が必要な患者さんは歯周病予防処置の予約をするシステムも出来ている。一方で初診の患者さんや外での検診時に予約した患者さんが増えたため、歯科部長と相談し歯周病予防処置をするユニットを2台で対応する様になった。

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<ラジオ体操>

TVトンガでは月曜から金曜の17:30〜18:00にラジオ体操DVDの放送を継続している。
QUEEN SALOTE HIGH SCHOOL、TONGA HIGH SCHOOLでは今後学校で取り入れていくことになった。歯科スタッフも仕事開始前に中庭で体操をするようにした。全体的にトンガ人は体の柔軟性が低く、前屈の姿勢や後ろに反り返る姿は少し苦しそうにも見えるが、個々に無理なく出来る運動なため、とても好評であった。

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<医科スタッフとの連携>

事業所検診、学校健診、ヘルスフェスティバル等をするときはNCDナースとヘルスプロモーションの方が必ず同行してくれ、身長、体重、腹囲、血糖値測定を実施し、生活習慣病の改善についての保健指導をした。

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