Southernpacificocean Medical Team 南太平洋医療隊
 
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【2025年8月の活動報告】
実地期間: 2025年8月6日〜8月16日
対象地域: トンガ王国(以下トンガ) トンガタプ Tongatapu本島
参加者: 南太平洋医療隊:遠藤眞美(歯科医師)
トンガマリマリチーム:・シシリア(歯科部長),マフィ(セラピスト),リオ(運転手),マリマリチームスタッフ
活動内容: ・小学校フッ化物洗口事業(マリマリプログラム)
・ 障がい児者対象とした歯科健康診査,保健指導等(マリマリプログラム)
・日本大使館訪問

<マリマリプログラム小学校 8月8日、15日>
8月8日,15日にわたり小学校計7校へ訪問いたしました。前週が大雨だったので校庭に大きな水たまりがあり,実施には工夫が必要でしたが,みんな楽しくフッ化物配合歯磨剤で歯を磨いた後で,フッ化物洗口とNHKラジオ体操をしていました。
歯科スタッフが主導してNHKラジオ体操を実施しています。巡回車が新しくなり音楽の提供が難しい時があるので,子供たちは体操を覚えているが戸惑っている様子もあり、音楽の提供なしでのラジオ体操を実施したらと提案しました。子供たちの笑顔は光っていて,本活動がトンガの暮らしの一部になっていることを実感しました。
新たに2人のドライバーに就任されたので,南太平洋医療隊からMalimali program Tシャツを寄付させていただきました!!
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障害者入所施設ALONGAを対象とした歯科健診および歯科治療【8月11日,8月14日】
8月11日に障害者入所施設ALONGAで13名の歯科健診を実施しました。マリマリプログラムの中で行われているので口腔清掃状態は良好でした。歯科治療受診に至ってないケースが多いため歯石が多く認めたので,8月14日にViola病院で歯科治療を実施しました。5名が来院され,デンタルセラピストのマフィと歯石除去,PMTC,咬合調整などを実施しました。Mafiと脳性麻痺の方への姿勢の配慮など日本の教科書を使用しながら確認・実践しました。
本活動は,ALONGAのFacebookでも,終了後すぐに情報提供しています。
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障害者通所施設Mango tree【8月12日,8月13日】
6月頃デング熱の流行があり,通所施設への通所が中止されていた。今回はMango tree センターとMinistry of Healthとの連携事業として計11人の方のHome Visiting(訪問巡回)に同行いたしました。 自宅に到着後、お祈りをし、日頃の悩みをお聞きしながら歯科健康診査、フッ化物歯面塗布、サホライド塗布、歯みがき指導を実施しました。ご家族からは,歯に関する悩みや歯みがき方法の質問などに加えて、大人用の紙おむつが手に入らないという相談もありました。
本活動は、Mango treeセンターのFacebookからオンタイムで配信してくださいました。
 
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アマナキ先生のお墓訪問【8月14日】
昨年の9月に亡くなられた元歯科部長のAmanaki先生のお墓に伺い,今までの感謝とご冥福をお祈りしました。
在トンガ日本大使館訪問【8月14日】
在トンガ王国日本大使館で、大使を表敬訪問いたしました。河村サユリ先生や内田千鶴さんとお会いされており,本隊の活動をご存知でした。今回の活動をお伝えし,過去の活動への感謝と今後の活動に激励をしていただくことができました。
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お葬式に参列【8月7日,8月9日】
Sisilia先生のご親戚のお通夜,お葬式に参列いたしました。
お葬式では故人のお顔を拝見しながら感謝を述べ,式典が始まり、スピーチ,賛美歌を歌い,自宅から教会へ,その後,お墓に移動します。故人の移動は霊柩車です。参列者は自家用車。トンガは土葬で,美しい装飾が家族からなされます。帰りに返礼としてビニール袋に入ったチキンや豚の生のお肉が参列者のお礼として配られました。後からお聞きしたのですが,基本的にはお肉等が多いが最近はお金でお礼することもあるそうです。家族や地域の方々が集まって故人の方を尊敬し,感謝してる家族の皆様の気持ちにふれることができた貴重な体験でした。
また,お隣の地域にお住いというトンガの首相が参列されていたので,ご挨拶をさせていただきました。
霊柩車に「TAMANOYA」と書いてあり日本の葬儀屋さんの車であることが分かりました!とても丁寧に扱われていました!!
 
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【2025年9月の活動報告】
実地期間: 2025年8月31日〜9月14日
対象地域: トンガ王国(以下トンガ) Tongatapu(トンガタブ)本島、Vava’u(ババウ)諸島
参加者: 南太平洋医療隊:河村サユリ(歯科医師)、内田千鶴(歯科衛生士)、内田実(学生)
トンガマリマリチーム:シシリア(歯科部長)、歯科医師:ナアティ、メレ、サイア(歯科セラピスト)、 ダイベイ(歯科アシスタント)、アンティア(コンピューターオペレーター)、ドライバー:リオ、 ダイアモニ、アシナテサマテ(雑務アシスタント)
活動内容: 今回は本島の他に、本島から飛行機で約1時間離れたババウ諸島を訪問しました。
◆トンガタブ本島
・オーラルヘルスデーの開催
・国立バイオラ病院歯科室にて歯周病治療の技術移転、リーフレットによる定期健診の推進
・フッ化物洗口剤、フッ化ジアミン銀の使用及び管理に関する確認
◆ババウ諸島
・マリマリプログラムの現況視察、教師による活動評価(アンケート調査)
・首相府に首相閣下を表敬訪問

<トンガタブ本島・オーラルヘルスデー>
「歯の喪失の影響と口腔リハビリテーション (義歯) の重要性、意識向上」についてフォオネルアコンベンションセンターにて開催されました。トンガ王国初の病院は1907年に開設され歯科は1960年前後に設立されたとのことです。現在トンガ王国の歯科技工士は5名で、仕事内容や義歯を入れた患者さんの体験談が紹介されました。 離島を訪問して作業をすることもあります。2024年には324件の制作物が有り、年々増えているようです。2025年にプリンセスフシバラ病院 (ハアパイ諸島) に技工所が建設され、今後、他の離島にも技工所を建設する予定を立てています。次に小学生によるポエムや、歯科スタッフによる歌が披露されました。出席者には歯科スタッフのほか、保健省大臣、WHOトンガ事務所長(世界保健機構)、オーストラリア連邦外務貿易省(DFAT)の関係者、国立バイオラ病院医療スタッフ、教師、学生、町の役員、牧師など100名を超える方々が参加されました。保健省大臣は、歯科におけるマリマリプログラムは非常に成功していると述べ、医科においても、国内のNCDs(非感染性疾患)が抱える多くの課題に対応するため、このシステムを導入していきたいと話されました。
歯科部長のシシリア先生の提案により、ラジオやテレビを通じた口腔衛生の啓発活動も行われており、マリマリチームで制作し、7月頃から1分程度のコマーシャルとして放送されています。
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・オーラルヘルスデー参加者
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・歯科技工物の展示
<トンガタブ本島・国立バイオラ病院歯科室>
今年の4月に4名の歯科スタッフが増員しました。
 診療室では継続的に歯周病治療が行われていますが、定期的に検診を受けるという習慣にはなっていません。そこで歯周病治療について患者さんへの動機づけに使えるようなリーフレットをトンガ語と英語で作成しました。また、ハンドスケーラーのシャープニングガイドを作成し活用してもらうようにしました。
薬剤管理について確認したところ、鍵付きの薬剤保管庫に保管されており、エアコンにより安定した温度で24時間管理されていました。フッ化物洗口剤は現在、薬剤師管理下で計量・管理がなされており、使用法・管理方法共に安全かつ適切に使用できている事を再確認しました。
トンガ王国保健省歯科は2023年南太平洋WHO(世界保健機構)のアワードに「Malimali(Smile)Project-School-Based Fluolide Mouthrinse in Tonga Schooks sinse 2000」を応募し、「THE WHO HEALTHY ISLANDS BEST PRACTICE RECOGNITION」を受賞しました。今年度まではフッ化物洗口剤は当隊が日本で購入し、寄贈していました。今後は、マリマリプログラム継続に必要不可欠であるフッ化物洗口剤を、トンガ王国がWHOの協力のもとで調達していくこととなりました。その資金にはオーストラリアンエイド(DFAT)による援助が活用されます。
自国での調達方法を当隊と共に模索してきた中で、自立に向けた大きな一歩となる朗報が届き、大変喜ばしく思っています。今後、入手ルートが確立されれば、トンガのみならず太平洋諸国全体のさらなる発展にもつながることを期待しています。
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・歯周病治療について指導
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・歯科材料の寄贈
<ババウ諸島・マリマリプログラム巡回の現況視察>
ババウ諸島の小学校、幼稚園を計29校訪問しました。マリマリプログラムのフッ素洗口と(NHKラジオ)体操は継続されていました。教師の活動に対する感想を得るためのアンケート用紙を配布し、後日回収しました。
*体操を行う際、規模が大きい小学校(特に本島)ではラジカセでは音量が足りないため、大きめのスピーカーを本隊から寄贈しました。
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・歯磨き指導 ババウ諸島小学校
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・ペットボトルを再利用(歯ブラシとコップ)
<ババウ諸島・首相府に首相を表敬訪問>
2025年1月22日に首相就任されたDr.アイサケ・ヴァル・エケ(Hon. Dr.‘Aisake Valu Eke)は、私達の活動初期から親交のある方で、活動趣旨を理解され応援してくださっています。前職の財務大臣も兼任しており、トゥボウ6世(王様)からも厚い信頼を得ている方です。
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・中央がアイサケ・ヴァル・エケ首相
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・日本の折り鶴を紹介し差し上げました

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